就労継続支援B型(障がい者のための作業所)始めかたガイド

始めかたガイド就労継続支援B型

  • 「障がい者の方のための作業所を立ち上げたい」
  • 「就労継続支援B型の事業所の始め方がわからない」

就労継続支援B型の事業所を始めたいのに、手続きがよくわからない、とお困りの方は多いのではないでしょうか。

就労継続支援B型作業所を始めるためには、大きく分けると

  1. 会社をつくる
  2. 自治体の許可を受ける

この2つの手続きが必要になります。

会社を作って許可を受ける

このページでは、就労継続支援B型事業所の始め方について、必要な手続きやポイントをわかりやすく解説していきます。

就労継続支援B型サービスって?

就労継続支援B型サービスは、「指定障害福祉サービス」と呼ばれるサービスのひとつです。

「障害者総合支援法」という法律で、障がいをお持ちの方が自立した生活を送るために必要な「指定障害福祉サービス」が定められています。

就労継続支援B型サービスは、「訓練等給付」とよばれるサービスの中の「就労継続支援」というサービスです。

障がいがあることにより、一般の企業で働くことが難しい障がい者の方は、どうやって生活しているのでしょうか。

20歳から支給される障害年金だけでは、自立した生活を送ることが難しいのが現実です。

そんな方たちのために、「働けるようになろう!」「出来る範囲で働きながら、能力アップを目指そう!」という訓練・支援を行うのが就労継続支援サービスです。

訓練等給付

就労継続支援サービスは、「就労継続支援A型」と「就労継続支援B型」の2つの類型に分かれています。

 

A型事業所とB型事業所の違いは?

障がい者就労継続支援事業の違い

「雇用契約」を締結して働くA型作業所

就労継続支援A型サービスは、65歳未満の方で、通常の事業所で働く事が難しいけれど、「雇用契約」に基づいた就労ができる方が対象となります。

一般企業で働く労働者の方と同じように「雇用契約」を結んで就労しますので、最低賃金以上のお給料を支払い、就労してもらいます。

「雇用契約」の締結が難しい方の支援を行うB型作業所

就労継続支援A型の雇用契約を結んで働いてもらうスタイルに対し、就労継続支援B型は、雇用契約を結ばずに就労してもらう事業所です。

就労継続支援B型は、A型と違って年齢制限はありません。

「工賃」という形で賃金を支払って、就労してもらいます。

就労継続支援B型を利用する人ってどんな人?

就労継続支援B型の対象者は、次のように決められています。

  • 通常の事業所に雇用されることが困難であって、雇用契約に基づく就労が困難である者

具体的には、

  • 支援学校を卒業後、一般企業に就職したけど、体力・精神面で継続できなかった
  • 就労移行支援サービスを利用していたけど、就労継続支援B型の方が適切だと判断された

このようなケースの方が就労継続支援B型事業所を利用されることが多いようです。

一言で「障がいがある方」と言っても、その特性は様々です。

身体障害があり、車椅子を利用している・麻痺などがある方、知的障害がある方、発達障害がある方、精神障害がある方、それぞれの障害によって得意なこと・難しいことがあります。

どんな障がいの方に、どんな就労を行ってもらうか、どんな支援を行うかをイメージして、作業所の立ち上げを行うことが重要です。

どんなお仕事をしてもらえばいい?

「就労継続支援B型の作業所」と言って、具体的にどんなイメージが湧きますか?

「今まで一度も就労継続支援B型作業所を見たことが無い。」

「何か所か見学したけれど、いまいちイメージが湧かない。」

という方が多いのではないでしょうか。

近年の就労継続支援B型事業所は、利用者さんの特性に合わせて多様化してきています。

例えば、

  • 人とのコミュニケーションやグループ・団体での連携作業が苦手な方に向けて

機器の組み立てや部品の検品など、集中力を活かした個人でできる作業を提供している事業所

→納期を守ることの大切さや、他の利用者の方の手伝い、リーダーとして製品を管理することを通じて、人とのコミュニケーションの取り方を少しずつ身に付ける事が出来ますよね。

  • 集中力が長く続かない、多動の方に対して

農作業(畑の雑草取りや農作物の収穫など)を行う事業所

→野外の作業は長時間座っている必要がないので、自分のペースでのびのび就労してもらえます。

  • 車椅子や四肢に麻痺のある方に向けて

→立位や移動が難しい方でも行えるパソコンを使用したデータ入力や内職などをご自身の無理のないペースで少しずつ行ってもらいます。リハビリの一環にもなりますね。

このように、最近は色々なスタイルの就労継続支援B型事業所が増えており、アイデア次第で全く新しい形の作業所を立ち上げることも可能です。

B型作業所を始めるために一番最初に行うことは?

就労継続支援B型の作業所を立ち上げたい、ではまず何を準備すれば良いでしょうか。

一番最初に記載した通り、まずは「会社をつくる」手続きが必要です。

障害福祉サービスの許可(=指定)は、個人ではもらえません。必ず、「法人」が事業を行うことが条件になっています。従って、就労継続支援B型の指定を受けるときも、前提として会社(法人)の立ち上げからスタートすることになります。

「会社」を作るときの注意点

「会社」と言っても、今は「株式会社」「合同会社」「一般社団法人」など、様々な種類の法人格があります。

それぞれに特徴がありますので、まずはどの法人格が自分のスタイルに合うのか、予定する就労継続支援B型の事業所にマッチするのか、検討することが大切です。

①王道スタイル「株式会社」

「会社」と聞いて、一番最初に株式会社をイメージする、という方が多いのではないでしょうか。そこが株式会社のメリットのひとつです。

他の法人格と比べてダントツに社会的信用がある

同じくらいの規模の就労継続支援B型作業所であっても、運営を「株式会社」がやっているか、「合同会社」がやっているか、比較すると、やはり株式会社の方がしっかりしている・安心できる、というイメージを持ってもらいやすいと言えます。

また、銀行や金融機関などに立ち上げの際の資金を融資してもらう場合も、イメージ的には株式会社が一番信用してもらいやすい法人格です。

株の発行により、資金の調達ができる

株式会社は、出資する人(=株主)と、経営する人(=取締役、代表取締役など)を分離することが出来ます。

自分で出資して、経営も行う(株主にも役員にもなる)というスタイルの他に、誰かに出資だけしてもらい、経営は自分が行うという運営が可能です。

これとは逆に、「合同会社」は、出資しなければ経営を行えませんので、自分が社長になりたいのであれば、必ず自分自身で出資をする必要があります。

設立の費用が高い

株式会社は、他の法人格と比べて設立費用がやや高めです。

  株式会社 合同会社 一般社団法人
定款認証手数料 約52,000円 0円 約52,000円
定款に貼る収入印紙 40,000円 40,000円 40,000円
登録免許税 150,000円 60,000円 60,000円
合計金額 242,000円 100,000円 152,000円

※専門家に設立手続を依頼する場合は上記金額の他に料金が必要になります。

その他、会社の実印を作成したり、印鑑証明書を取ったりする費用が必要ですので、株式会社を作る場合は、大体25~30万円程度かかる、と思っておいた方がいいでしょう。

②スピーディーに作れる「合同会社」

株式会社と比べてすぐに作れる

会社を作るときには、まず「定款」という会社のルールを定めたものを作ります。

株式会社や一般社団法人は、作った定款を公証役場という機関で「認証」してもらわなければいけませんが、合同会社は認証を受ける必要がありません。

つまり、法務局に必要書類を揃えて申請するだけで設立が可能なので、急いで会社を作りたい、なるべく簡単に作りたい、という方にはおすすめの法人格です。

初期費用が安い

合同会社は、定款を公証役場で認証してもらう必要がないため、認証にかかる約52,000円の手数料がかかりません。

また、株式会社の場合15万円もかかる登録免許税も、合同会社の場合は6万円と安くなっています。

就労継続支援B型の事業所は、場所や職員も確保する必要がありますので、設備や人件費のかかる事業です。できるだけコストを抑えて開設したいという場合は、合同会社を選んでみてはいかがでしょうか。

③まだ新しいスタイル「一般社団法人」

比較的簡単に作れるようになった

以前までは「社団法人」は公益性がなければいけないと決められており、設立の際は様々な要件をクリアする必要がありましたが、法律の改正により、事業の目的や設立時に所有している財産などを問われることはなく、株式会社と同じような手続きで設立できるようになりました。

少人数で設立が可能

同じ「非営利型」と呼ばれる「NPO法人」を作る場合は、設立時に10人以上のメンバーが必要になり、都道府県の認証を受けたりと面倒な手続きが必要で、設立には3~4ヶ月かかってしまいます。

これに対し一般社団法人は、最低2名以上のメンバーで作ることが出来、株式会社と同じくらいの期間で設立が可能です。

利益の分配はできない

一般社団法人は、「営利を目的としない」法人です。

株式会社や合同会社は、会社に利益が出た場合、出資した人に配当を分配することが出来ますが、一般社団法人は配当を行うことが出来ません。

利益が出た分は、事業の資金として繰り越していきますので、利益の分配をお考えの方は、株式会社や合同会社の設立をお勧めします。

あくまで「利益」の分配が出来ないだけですので、役員や従業員が報酬や給料をもらうことは可能です。

会社の作り方

自分に合った法人格、運営していく予定の就労継続支援B型に適すると思われる法人格を決めたら、設立の準備を進めていきます。

ここでは、株式会社の作り方をご案内します。

①必要なものを準備する。

会社を作るには、主に次のようなものが必要になります。

  • 発起人や役員の印鑑証明書
  • 発起人や役員の実印
  • 発起人代表の個人通帳

会社の実印会社の実印は、今後、会社の運営上、重要書類などに押す印鑑です。ゴム印などの変形しやすい材質だと実印登録が出来ないので、柘や黒水牛・象牙などの材質で作ります。

法律上は特に決まりはありませんが、一般的には二重丸の外側に回し文字で法人名、内側に代表者の役職名を彫ります。

 ②必要事項を決める。

まずは、次のような必要事項を決めていきます。

  • 会社の名前
  • 会社の所在地
  • 事業の目的
  • 出資するメンバー、金額
  • 役員は誰がするのか
  • 役員の任期
  • 決算の時期   など

 ③定款を作る

②で決めた事項をもとに、会社の「定款」を作成します。

定款の書式がわからない、という場合は「公証役場」に相談したり、「会社設立のマニュアル本」などを購入して参考にするといいでしょう。

④公証役場で定款の認証手続き

③で作成した定款を、公証人に認証してもらう手続きです。

前もって電話・訪問し、定款を見てもらいましょう。

おかしい部分や、追加・削除した方がいい文言などをアドバイスしてくれますので、修正し、完成した定款を認証してもらいます。

この際、定款に貼る印紙代40,000円と、認証手数料約52,000円が必要になります。

全国の公証役場はこちら

⑤資本金の振込み

発起人代表の個人口座に、それぞれの発起人が出資する金額を振り込みます。

法人名義の口座は、法人登記が完了しなければ作れませんので、ひとまず発起人の代表名義の口座に、資本金を集めます。

⑥法務局で登記申請

必要な書類を作成して、法務局へ申請します。

  • 株式会社設立登記申請書
  • 別紙
  • 認証済みの定款
  • 本店所在地決定書
  • 役員の就任承諾書
  • 資本金の払い込み証明書
  • 役員の印鑑証明書
  • 印鑑届(法人の実印登録)

法務局の印紙売り場で、収入印紙を15万円購入し、「株式会社設立登記申請書」に、貼って提出します。

法務局へ書類を出した日付が、会社の「設立年月日」になります。

この際、印紙には割印をせず、そのまま申請します。

⑦登記完了後にもう一度法務局へ

法務局に書類を提出する際、「登記完了予定日はいつですか?」と窓口の人に確認します。

提出した書類に不備や間違いがある場合は、法務局から「訂正に来てください。」と電話がかかって来ますが、何も連絡がなければ、完了予定日にもう一度法務局へ行き次の手続きを行います。

・印鑑カードの交付申請を行う

→法人の印鑑証明書を取る際に「印鑑カード」が必要です。

まずは印鑑カード交付申請書を窓口に出して、印鑑カードを作ってもらいます。

・登記簿謄本、印鑑証明書を取る

→謄本や印鑑証明書は、会社名義で何かを行う際に必要になります。

例えば、事業所の物件を契約したり、法人名義の通帳を作る際にも、貸主や銀行に提出する必要があります。必要な枚数を確認して、予め取っておきましょう。

就労継続支援B型サービスの許可(指定)要件

就労継続支援B型の指定をもらうためには、許可の基準を満たしていなければなりません。

障がいのある方が安心して利用できるように、次のような基準をクリアする必要があります。

①ヒトの要件(人員基準)

就労継続支援B型を始めるには、障がいのある方の支援・介助を行うために必要な知識、資格を持ったスタッフが一定数必要になります。

【管理者】

  • 必要人数・・・常勤で1名以上
  • 必要資格・・・特になし
  • 必要経験・・・特になし

仕事の内容・・・管理者は、主に事業所全体の管理業務を行います。スタッフの指示・管理や行政が実地調査に来たときの対応などを行う仕事です。

基本的には、事業所に常駐していなければいけないので、常勤(=フルタイムで勤務)の方でなければ管理者業務は出来ません。

管理業務に支障がなければ、その他の業務を兼務することが可能です。

【サービス管理責任者】

  • 必要人数・・・利用者60人以下:1名以上(1名以上は常勤であること)
  • 必要資格・・・あり
  • 必要経験・・・あり

サービス管理責任者になるためには、「資格」「実務経験」「研修受講」という3つの条件をクリアする必要があります。

業務の範囲 サービス管理責任者
業務内容 実務年数
障害者の保健、医療、福祉、就労、教育の分野における支援業務 ①相談支援業務 施設等において相談支援業務に従事する者 5年以上
医療機関において相談支援業務に従事する者で、次のいずれかに該当する者 (1)社会福祉主事任用資格を有する者 (2)訪問介護員2級以上に相当する研修を修了した者 (3)国家資格等※を有する者 (4)施設等における相談支援業務、就労支援における相談支援業務、特別支援教育における進路相談・教育相談の業務に従事した期間が1年以上である者
就労支援に関する相談支援の業務に従事する者
特別支援教育における進路相談・教育相談の業務に従事する者
その他これらの業務に準ずると都道府県知事が認めた業務に従事する者
②直接支援業務 施設及び医療機関等において介護業務に従事する者 10年以上
障害者雇用事業所において就業支援の業務に従事する者
盲学校・聾学校・養護学校における職業教育の業務に従事する者
その他これらの業務に準ずると都道府県知事が認めた業務に従事する者
③有資格等 上記②の直接支援業務に従事する者で、次のいずれかに該当する者 (1)社会福祉主事任用資格を有する者 (2)訪問介護員2級以上に相当する研修を修了した者 (3)児童指導員任用資格者 (4)保育士 5年以上
上記①の相談支援業務及び上記②の直接支援業務に従事する者で、国家資格等※による業務に5年以上従事している者 3年以上

※ 国家資格等 医師、歯科医師、薬剤師、保健師、助産師、看護師、准看護師、理学療法士、作業療法士、社会福祉士、介護福祉士、視能訓練士、義肢装具士、歯科衛生士、言語聴覚士、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師、柔道整復師、栄養士(管理栄養士を含む。)、精神保健福祉士 ※ 実務経験年数及び日数換算について 1年以上の実務経験とは、業務に従事した期間が1年以上であり、かつ、実際に業務に従事した日数が1年あたり180日以上であることを言うものとする。 例えば、5年以上の実務経験であれば、業務に従事した期間が5年以上であり、かつ、実際に業務に従事した日数が900日以上であることを言う。

上記の資格・経験を満たした人が、サービス管理責任者研修を受講して、初めてサービス管理責任者になることができます。

ただし、現在は緩和措置として、許可(指定)を受けるときに研修を受講していなくても、作業所を開設してから1年以内に受講すればいいことになっています。

仕事の内容・・・サービス管理責任者は、それぞれの利用者の方の能力や環境、日常生活状況を踏まえて、利用者の方の希望する生活・課題を把握して、支援の具体的な内容を計画します。

【職業指導員及び生活支援員】

必要人数・・・利用者数÷10 以上で、職業指導員1人以上・生活支援員1人以上

(職業指導員、生活支援員のうち、1人以上は常勤であること)

→例えば、利用者の定員が20名の作業所を立ち上げる場合、最初は利用者数が0人なので、定員×90%を利用者数として、次のように必要な人数を算出します。

(定員20人×90%)÷10=1.8人

①職業指導員 1人

②生活支援員 1人

①②あわせて1.8人いればOK、ただし1人以上は常勤でなければいけないので、

①職業指導員  1日8時間×5日=週40時間働く常勤 = 1人

②生活支援員  1日8時間×4日=週32時間働く非常勤 =0.8人

合わせて1.8人以上になれば問題ありません。

必要資格・・・特になし

必要経験・・・特になし

仕事の内容・・・職業指導員や生活支援員は、現場で利用者の方に必要とする支援や障がいにより手助けが必要な方の介助を行います。

②バショの要件(設備基準)

就労継続支援B型の作業所を始める物件についても、かなり細かい基準が決められています。

「広いし、家賃も安いし、ここで決めよう」

「自宅に部屋が余っているからそこで作業所をしよう」

と思っている方は注意してくださいね。物件を決めてしまってから、その場所では許可(指定)が下りなかった・・・と困っている方が多いので、事業所の物件は慎重に決めましょう。

【訓練・作業室】

実際に利用者の方に就労してもらうスペースです。

段差や傾斜がなく、安全な広さが確保できるかがポイントです。

指定を行う自治体により基準は異なりますが、だいたい利用者1名につき3㎡程度の広さを確保しなければいけません。

定員20名であれば、20×3=60㎡程度の広さが必要ということですね。

【相談室】

相談室は、利用者の方やそのご家族が相談に来られた際に対応するスペースです。広さの規定は特にありませんが、実際に相談を行う場合、事業所の担当者、利用者の方とご家族、担当のケースワーカーなどが同席しますので、だいたい3~4人が座れる空間が必要になります。

個室を確保することが難しい場合は、他の部屋の一角を区切ってスペースを作ることも可能ですが、個人情報・プライバシー保護の観点から、ある程度しっかりと間仕切りをする必要があります。高さの足りないパーテーションや、半透明のカーテンなどではプライバシーが保てないので、指定を受けられないこともあります。

【多目的室】

多目的室は、利用者の方の親睦やミーティングなどに使われるスペースです。

常に利用する部屋ではないので、支障がないようであれば、相談室との兼用でも可能です。

その他、利用者の方の障害の特性に対応した設備が必要になります。

例えば、車椅子の方を受け入れるのであれば、トイレや洗面所に手すりを設置したり、段差や傾斜の解消なども必須項目になります。

他の法律も要注意

障害者総合支援法では、上記のような設備基準が設けられていますが、その他の法律でも、事業を行うことに関して色々な要件・規制があります。

設備基準をクリアしたとしても、他の法律上事業ができない物件であれば就労継続支援B型の事業所として指定を受ける事は出来ませんので、注意が必要です。

①消防法上問題がないか要チェック

消防法では、建物の使用用途に応じて、消防設備の配置が義務付けられています。

普通の会社の事務所や店舗より、障害をお持ちの方や高齢者・子供などが通う事業所の方が、安全性を配慮してより厳しい基準が設けられています。

事業所の広さや定員、同じビルやフロアに入っているテナントにより基準は異なります。

消火器や誘導灯の配置だけで済む場合もあれば、スプリンクラーなどの大掛かりな消火設備を導入しなければならなかったり、ビル全体に報知機を設置しなければならなくなったりする場合もあります。

事前に消防署で確認せずに物件を借りてしまい、後から莫大な消防設備費用がかかった・貸主が設備をつける事を承諾してくれず、結局借りたのにB型作業所が出来なくなってしまった、なんて事にならないよう、注意が必要です。 

②建築基準法上問題がないか要チェック

建物を建てる際、居住用・事業用・工場用など、使用する用途を決めて申請します。

これを建築基準法で「用途」と言います。

たとえば、就労継続支援B型作業所を行うために民家を借りたとすると、おそらくその建物の用途は「一戸建て住宅」などになっていると思います。

その用途を変更する「用途変更確認申請」という手続きが必要になってくる場合があるのです。

使用する物件の面積が100㎡を超える場合、「用途変更確認申請」が必要になりますので、注意が必要です。

用途変更を行う場合は、建築士の方や設計事務所などに相談することをお奨めします。

場合によっては、建てた当時の「検査済証」という証明が出ない物件だったり、安全性を調べるために大掛かりな検査が必要だったりすると、用途変更自体が出来ない、という物件もありますので、こちらも借りる前に必ず、「広さは100㎡を超えているのか」「用途変更が必要な物件なのか」確認する必要があります。

③運営上の要件(運営基準)

就労継続支援B型を始めるにあたって、運営に必要とされる基準は次のようなものです。

  • 事業の目的及び運営の方針
  • 職員の職種、員数及び職務の内容
  • 営業日及び営業時間
  • 利用定員
  • 就労継続支援A型の内容並びに利用者から受領する費用の種類及びその額
  • 通常の事業の実施地域
  • サービスの利用に当たっての留意事項
  • 緊急時等における対応方法
  • 非常災害対策
  • 事業の主たる対象とする障害の種類を定めた場合には当該障害の種類
  • 虐待の防止のための措置に関する事項
  • その他運営に関する重要事項

上記のような重要事項を「運営規程」と呼ばれるルールブックに定めておく必要があります。

就労継続支援B型の指定の取り方

法人を作って、必要な要件をクリアできたら、いよいよ就労継続支援B型の指定をもらうための申請(=指定申請)の準備に入ります。

①まずは、管轄の自治体を確認する。

障害福祉サービスの指定は、原則都道府県が行っています。

指定都市・中核市については、都道府県から指定の権限が移譲されているので、注意が必要です。

【兵庫県の主な指定の管轄先】

神戸市・姫路市・尼崎市・西宮市は、市が指定権者ですので、各市役所へ障害福祉サービスの指定は、原則都道府県が行っています。

②管轄自治体へ「事前相談」「図面協議」に行く。

「事業所の物件を借りました!」「人も採用しました!」「申請書類を持ってきたので許可をください」と、いきなり就労継続支援B型の申請を行っても、

  • 「この物件ではダメです」
  • 「この方はサービス管理責任者の要件を満たしていません」

と却下されてしまうと大変ですよね。

そうならないためにも、必ず事前に自治体へ相談に行くようにします。

いきなり窓口へ行っても、担当者が不在だったり、窓口業務に対応していない場合がありますので、まずは電話で相談に行きたい旨を伝えて予約を取るようにしましょう。

③必要書類の準備

事前の相談が終わったら、いよいよ申請に必要な書類を準備します。

就労継続支援B型事業所の指定申請に必要な書類は、次の通りです。

指定申請に係る提出書類一覧表
指定申請書
役員名簿
指定に係る記載事項
定款又は寄附行為もしくは条例等
履歴事項証明書(原本:3ヶ月以内発行のもの)
従業者等の勤務体制及び勤務形態一覧表
組織体制図
管理者の経歴書
サービス管理責任者の経歴書
資格証の写し
サービス管理責任者の実務経験証明書
相談支援従事者初任者研修 受講証明書
サービス管理責任者研修(就労) 受講証明書
研修等受講誓約書
従業者の資格を証明するもの
事業所(施設)の平面図
事業所(施設)内外の写真
土地・建物にかかる賃貸借契約書、登記事項証明書等
建築基準法に基づく確認申請書、検査済証
建築士による採光換気証明書または法人による採光換気計算書
防火対象物使用開始届(消防署へ届出を行った申請書の写し)
居室面積等一覧表
設備・備品等一覧表
運営規程
利用者からの苦情を処理するために講ずる措置の概要
協力医療機関(協力歯科医療機関)との契約内容
財産目録
障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律第36条第3項各号の規定に該当しない旨の誓約書
案内図
指定障害福祉サービスの主たる対象者を特定する理由
事業計画書
収支予算書
損害賠償発生時の対応方法を明示する書類(損害保険証書等)
障害福祉サービス事業等開始届
介護給付費等算定に係る体制等に関する届出書
訓練等給付費の算定に係る体制等状況一覧表
加算を算定する場合に必要な書類(介給別紙等)
福祉・介護職員処遇改善(特別)加算を算定する場合に必要な書類 (届出書、計画書、就業規則、給与規程、労働保険関係書類等)
業務管理体制の整備に関する事項の届出書

申請時には、採用予定の方の資格の証明書や経歴書、設備や備品などが全て揃った状態の写真を提出しますので、「いつでも作業所をスタートできます」という状態まで準備をしなければ申請を行うことはできません。

  • 「誰かわからないけど今から募集して採用します」
  • 「まだ物件が決まってないけど作業所をやることは決めたので申請します」

という状態では申請を受け付けてもらうことは出来ません。

④申請の受理

申請書類を提出して、受理してもらうまでに、最低でも2~3回は自治体の窓口へ行くことになります。

細かい記載方法や不足資料などを追加で求められたり、確認点や修正点が出てきますので、1回目の申請で受理されることはまず無いと思っておいた方がいいでしょう。

⑤実地確認

自治体により異なりますが、実際に事業所物件を担当者が確認に来る場合があります。

申請の時に出した平面図通りの広さ・間取りが確保されているのか、本当に職員を採用(または指定の予定日までに採用を予定)しているのか面接を行ったりします。

⑥指定書(許可書)の交付

申請書類・実地確認で問題が無ければ、指定書が交付されます。

申請書類が受理されてから、指定書が交付されるまでの審査期間は、だいたい2か月程度です。

特別な理由がなければ、指定は毎月1日に下りるので、たとえば「来年の1月1日に就労継続支援B型の作業所をオープンしたい!」という場合、10月中には申請を受理してもらう必要があります。

となると、今年の8~9月ぐらいには職員や物件、資金の目処をつける必要があり、7月頃には会社を作っておく、というペース配分がベストだと思います。

就労継続支援B型の手続きを専門家に依頼する場合

以上が就労継続支援B型の作業所を開設するまでの流れです。

あくまで手続き上の流れをご案内しただけですので、実際には物件を探したり、改装を行う場合は業者と打ち合わせをしたり、開設に係る資金について、融資の相談を金融機関と行ったり、人材の募集をかけたり、色々と準備することがあります。

また、障害福祉サービスは、サービス提供に対する国からの報酬が2か月待たなければ入金されません。

開設後に利用者を集めるために営業をスタートさせていては遅いのです。

他の施設や市町村・ケースワーカー・支援学校に営業活動を行ったり、見学会を開催したり、予め利用者獲得のためにやることはたくさんあります。

そのような方の中には、書類の作成や行政とのやりとりを専門行政書士へ依頼したい、と考えられる方もいらっしゃるかと思います。

当事務所にご依頼いただいた場合の流れ

①まずはご相談ください。

いつごろ就労継続支援B型の事業所を立ち上げたいか、お客様のご希望をお伺いし、そこから逆算して順番にお打合せを進めていきます。

②会社をつくる準備

最初に会社設立について、一緒にご相談しながら、次のようなことを決めて行きます。

  • 会社の名前や所在地
  • 誰が株主で、資本金をいくら出資するのか
  • 役員のメンバーや任期
  • 決算は何月に行うのか

③就労継続支援B型の事業所の指定申請について、準備を進めます。

  • 事業所の名前や場所、営業日などを決める
  • 事業所の物件は決まっているか
  • 職員の採用の目途はついているか

就労継続支援B型の事業所として指定を受けるために注意が必要な点については、その都度ご説明しますので、安心してお任せいただけます。

初回のご相談は無料ですので、

  • 「まだ就労継続支援B型作業所をやるか迷っているけど・・・」
  • 「とりあえず、話だけ一度聞いてみたい」

という方もお気軽にご相談ください。お電話・メールをお待ちしております。

初回相談は無料にて承っております。お電話とメール、ご都合のよい方法でご連絡ください。(ご来所での相談をご希望の方は、お電話・メールでご予約ください)

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